更年期障害について~自律神経失調症を改善する知恵とコツ(自律神経編VOL.11)

こんにちは。すずらん鍼灸院の大島です。

前回では、自律神経失調症と誤診されやすい疾患、鉄欠乏症、低血糖症について解説しました。

今回は、更年期障害(更年期症状)について説明します。

 

良く「更年期障害」と「更年期症状」という言葉を耳にします。
「更年期障害」は、日常生活に支障をきたすほど身体が悪化している状態を言います。

「更年期症状」は、身体に不調は感じるものの、日常生活に大きな悪影響が現れていない状態を言います。

更年期障害は、ホルモンのバランスと深い関係があり、発病の原因の多くはホルモンの乱れにあります。

 

このホルモン分泌をコントロールしているのは、脳の視床下部の間近にある脳下垂体になります。

この脳下垂体に異常が生じると視床下部にも異常を生じやすくなります。

これに対し、自律神経の中枢機能は、視床下部にあります。
自律神経失調症とは、この視床下部のコントロールに異常が生じている状態を言います。

 

つまり、簡潔にまとめれば、更年期障害は脳下垂体の異常が原因となって視床下部に異常が生じ、自律神経失調症は、視床下部が直接、異常を生じたことになります。

 

このように、自律神経とホルモンの働きは視床下部の働きと密接な関係があります。
更年期障害と自律神経失調症は別の症状というよりも、自律神経失調症の症状の中に、更年期障害が含まれていると言っても良いのでしょう。

以前に、婦人科で診察を受けたある患者様が、「更年期障害と言われたのに、自律神経失調症の治療を行うとことになりました。これはどうゆうことですか?」と相談されたことがありました。

 

専門医学的に言えば、自律神経失調症という病名はなく、自律神経失調症はある種の症状を示しています。

つまり、【自律神経失調症」という症状の中に、他の多くの病気が含まれていることになります。

ただし、更年期障害は、40代以降に生じる症状です。
若い年代の場合には、原因がホルモン分泌の異常によるものであっても、自律神経失調症と診断されるのではと思われます。

 

すずらん鍼灸院
院長 大島宏明



すずらん鍼灸院