自律神経失調症の代表的な症状についてVol.2

 

こんにちは。すずらん鍼灸院の大島です。

次回に引き続き、自律神経失調症の代表的な症状について、お話していきます。

 

自律神経失調症の症状は、

「なんとなくだるい」
「以前より、元気がなくなったようだ」

のように、「なんとなく~」や「~のようだ」といったあいまいな表現で語られるものが多く、また、不調を訴える身体の箇所も多岐にわたり、身体のどこが悪いのかはっきりと特定するのが難しい症状であるということを、前回は説明しました。

 

これは、自律神経失調症の患者さんに見られる代表的な症状の一つであり、医学的には不定愁訴と
呼ばれているものです。

 

ただ、ここで問題になることがあります。

「不定愁訴」のような症状は、病院の一般科で検査を受けても、身体の異常を指摘されることが少ないということです。

「問題なし」、あるいは「少し疲れがたまっているのでしょう」というふうに、診断されることが多いのです。

 

したがって、自律神経失調症は早期発見が難しく、治療がどうしても後手になってしまいます。

症状が悪化し、しばらく経過してから、自律神経失調症が発見されるというケースも意外と多いのです。

 

ところで、なぜ、自律神経失調症になると、不定愁訴のような症状が現れるのでしょうか。

不定愁訴が現れる原因を正しく理解するためには、自律神経のメカニズムを知る必要があります。そこで、自律神経について、次にご説明致します。

 

自律神経には、『体性神経』と『自律神経』があります。体性神経とは、自分の意志でコントロールできる神経です。これに対し、自律神経は、自分の意志に関係なく働く神経をいいます。

寝ているときでも、息を吸ったり、心臓が動いて血液を体中に循環させていますが、これは自律神経の働きによるものです。

 

また、自律神経は『交感神経』と『副交感神経』の二つに分けることができます。

交感神経とは、目が覚めている時に働く神経で、特に、激しい運動しているとき、忙しく働いているときに活発に働きかける神経です。

 

これに対し、副交感神経は、夜になると働く神経です。

副交感神経が働くことによって、リラックスできたり、夜になると自然に眠気が生じることになるのです。

しかし、近年、高ストレス社会や日々の深夜残業などにより、夜の眠る時間になっても、交感神経が働き続け、副交感神経の働きが弱まってしまうことがあります。

 

そのような日々が長い間続くと、心身の緊張状態が夜になっても続き、副交感神経への切り替えが
うまくできなくなり、眠れなくなるといった症状が出るようになります。

この症状が長期に渡って続いてしまうと、精神的にも肉体的にも疲労が次第に蓄積されていくのです。

 

自律神経は、身体のてっぺんから指先まで、全身にくまなく行きわたっております。

そのため、自律神経に異常が生じた場合には、身体のどこに異常が生じてもおかしくないのです。

自律神経失調症の症状が、人によって様々で、身体のいたるところに不調が生じるのは、こういった理由によるものです。

 

(次号に続く)

 

すずらん鍼灸院
院長 大島宏明



すずらん鍼灸院