女性に冷え症が多い理由
ところで、なぜ冷え症は、女性によく現れる症状なのでしょうか。
女性の場合、妊娠や出産、閉経などによって、ホルモンバランスが不安定になりがちです。
ホルモンバランスは、自律神経とも深く関わっており、ホルモンバランスが乱れることにより、自律神経にも乱れが生じてきます。
自律神経は、血管の収縮や拡張の調節を行っております。自律神経が乱れてくると、血管が細くなって血液の流れが悪くなり、十分な血液が末梢まで行き渡らなくなります。
血液には、酸素や栄養などのエネルギーが含まれており、血管を通して、身体の隅々まで、エネルギーを運んでくれます。
従って、血管が細くなることで、身体の末端まで、エネルギーが運ばれにくくなり、冷えが生じるということなんですね。
様々な不調の原因に冷え症がある
人間の身体の体温には、一定のリズムがあります。
人間の正常な体温は、朝起きたときに36度、夕方の高いときには36.5度と言われております。
しかし、近年、平均体温よりも低い人が大変増えています。
最近の研究では、平均体温が下がると、免疫力が弱まり、病気を起こしやすくなるという報告がなされ、それに関する書籍もずいぶん増えました。
また、冷え体質は、免疫力が弱まるだけでなく、不妊症や生理不順、更年期障害などの症状とも深く関わっております。女性にとっては、「冷え症体質」は大敵でもあります。
冷え症に対しての正しい知識を持ち、将来の病気に備えるということも、幸福な健康生活を送る第一歩であります。だからこそ、「単なる冷え症」と軽く考えず、日常から、身体を冷やさないようにする工夫が必要です。
執筆者 すずらん鍼灸院 (東京都足立区)院長 大島宏明
大島宏明 すずらん鍼灸院 院長
■経歴
昭和43年:東京都足立区生まれ
平成13年:日本鍼灸理療専門学校卒業
平成14年~16年:富山県の鍼灸院でインターン研修
平成16年:すずらん鍼灸院開業
■免許
はり師免許番号:119623
きゅう師免許番号:119533
不妊カウンセラー
■所属団体
奇経医学研究会スタッフ
経絡治療学会会員
日本不妊カウンセリング学会会員
新刊:血流をよくすれば、不調は消えていく
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