Q. 湿布を貼って床に就きましたが、肩の痛みがひどくなりました。

Q 肩が少し痛くなったので五十肩かなと思い、お風呂に入って肩を温めました。
その後、血行をよくするため、マッサージを行ってから湿布を貼って床に就きました。
ただ、次の日起きると、肩の痛みがひどくなりました。以前、知人から五十肩の施術で肩を温めたことがあると聞いたのですが、私の場合、かえって悪くなった気がします。
A 五十肩の初期症状では、肩を温めるより冷やすことが重要
A 五十肩の施術で患部を温めたという経験をした方は多いと思います。
五十肩の症状には急性期、拘縮期、回復期の3段階あり、どの段階の症状かによって、患部を冷やすか温めるかが決まります。
知人から「患部を温めた」というお話を聞いたのは、回復期に行った施術法と思われます。
今のご質問を聞く限り、その症状が本当に五十肩としたら、初期症状の痛みではないかと思われます。
五十肩の初期症状は痛みが起きている部分に炎症が生じています。
炎症を起こしている患部を温める行為は、「やけどをした肩に熱湯をかける」ようなものです。
つまり、五十肩の初期症状は患部を温めるよりも冷やすことが正しい施術法になります。
湿布は3種類、症状に合わせて使い分けることが重要

もう一つ気になる点で、患部に貼った湿布があります。
おそらくお話の流れから、患部を温める効果のある「温湿布」を使ったのではないかと思います。
温湿布は、文字通り患部を温める作用があるので、むしろ炎症をさらにひどくさせてしまいます。
急に痛みがひどくなったのは、湿布にも原因があるように思います。
五十肩の初期症状には患部を冷やす効果のある「冷湿布」を使うことが望ましいといえます。
参考までに、湿布の種類と五十肩における湿布の使い分けを以下にまとめてみました。
- 冷湿布:患部を冷やす作用あり。捻挫や打撲などの炎症に使われ、五十肩の初期症状に使用される。
- 温湿布:患部を温める作用あり。血行不良を改善し、五十肩の拘縮期に使用される。
- 経皮鎮痛消炎テープ:鎮痛剤が配合。回復期に使用される。
五十肩の初期症状では、炎症を抑えるため、冷やす作用のある冷湿布を使います。
このときに、温める作用のある温湿布を使うと炎症がひどくなり、症状が悪化する危険性が高まります。
五十肩の中期においては、痛みがだいぶ引いていますが、腕の可動範囲が狭くなっていることが多いです。
これは関節や筋肉が固くなった影響です。
そこで凝った関節や筋肉をほぐすため、血流効果を高める温湿布を使うことになります。
回復期には、もう少し動きやすいテープ状のものを使います。
夜中に痛みがひどくなった場合の対処法
五十肩の初期症状において、夜、痛みがひどくなって眠れなくなった場合には、20分程、患部を冷やすと良いでしょう。
長く冷やしすぎるとかえって逆効果になりますので、肌が常温に戻ったら再度20分程冷やすということを繰り返すと痛みは次第に和らぐようになります。
基本的には、専門医による診断が必要です。
間違った対処法を行うとかえって症状が悪化するので、早めに専門医の診断を受けるようにしましょう。
五十肩の鍼灸効果について

五十肩の痛みが慢性化した場合、鍼灸院を最後の砦として選ばれる人が多いことをご存じですか。
近年、口コミサイトなどの影響から、五十肩を改善するために鍼灸を選ぶ人が増えています。
通常、五十肩の完治には、半年~1年半かかり、さらに再発の可能性が残っています。
しかし、鍼灸には免疫力を向上する効果があり、痛みの原因となる筋肉の痙攣を抑えることができます。
さらに鍼灸は定期的な施術を行うことで病気になりにくい体質となるため、再発の可能性がぐんと減ることになります。
慢性的な五十肩で長年、お悩みの方は、一度、鍼灸施術をお試しになられていかがですか。
五十肩の予防と日常生活での注意点

五十肩の痛みを和らげるためには、適切な施術だけでなく、日常生活の中での工夫も重要です。
特に以下のポイントを意識することで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
無理な動作を避ける
痛みがあるからといって全く動かさないのもよくありませんが、無理に腕を大きく動かすと炎症が悪化することがあります。
痛みのない範囲で軽いストレッチや肩回しを行い、徐々に可動域を広げていくことが大切です。
姿勢を整える
猫背や前かがみの姿勢は肩に負担をかけやすいため、できるだけ背筋を伸ばし、肩の力を抜いた自然な姿勢を心がけましょう。
デスクワークが多い方は、1時間に1回は軽く肩を動かすことを意識してください。
冷え対策を行う
五十肩の初期は冷やすことが大切ですが、慢性化した場合は血行を良くすることが重要になります。
冬場や冷房の効いた部屋では肩周りを冷やしすぎないように注意し、適度に温めることを意識しましょう。
バランスの良い食事を心がける
筋肉や関節の健康を維持するために、タンパク質・ビタミンB群・カルシウムなどを積極的に摂取しましょう。
特に、抗炎症作用のある**オメガ3脂肪酸(青魚・ナッツ類)や、コラーゲン生成を助けるビタミンC(柑橘類・ピーマン)**は、五十肩の回復をサポートします。
五十肩は時間が経てば自然に治るケースもありますが、適切なケアを行うことで痛みの軽減や回復の促進が可能です。
症状が続く場合は、無理をせず専門家に相談し、適切な施術を受けるようにしましょう。

肩が上がり、肩こりも改善されました

鍼をしてもらうと直ぐに肩が上がりました。

痛みがとても軽くなり、可動域が広がってきました。



執筆者 すずらん鍼灸院 (東京都足立区)院長 大島宏明


大島宏明 すずらん鍼灸院 院長
■経歴
昭和43年:東京都足立区生まれ
平成13年:日本鍼灸理療専門学校卒業
平成14年~16年:富山県の鍼灸院でインターン研修
平成16年:すずらん鍼灸院開業
■免許
はり師免許番号:119623
きゅう師免許番号:119533
不妊カウンセラー
■所属団体
奇経医学研究会スタッフ
経絡治療学会会員
日本不妊カウンセリング学会会員
新刊:血流をよくすれば、不調は消えていく

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